【 No.4 】
───ある男の証言。
あれは異質な存在感だった。この世とあの世の境目にいるような、存在感がないのに引きずり込まれてしまう。
長い間この屋敷の座敷牢にはそんな少年が囚われていた。
屋敷の主人は薄ぼんやりとしたその少年にひどく固執していた。
設問1.
屋敷の主人は。
少年は一言も発さずそこに在り続けた。
あどけない瞳の奥、何かを待っているように身じろぎもせず。
「赤司」は毎日座敷牢に足を運んだ。
貢物を携えて。
設問2.
赤司が差し入れたものは。
穏やかな時間がゆるやかに過ぎ幾度目かの夜が明けた頃、少年はふつりと消えた。
まるでろうそくの灯が消えるように。
暗闇に目が慣れる前にひっそりと。
設問3.
果たして少年は幸福をもたらしたのか、
はたまた不幸を伝播させたのか。
迎えが来たのかもしれないし、単純に1人で、
あるいは2人で逃げ出したのかもしれない。
設問4.
2人はどこへ。
淀みの中にこそ本質は沈んでいる。
皆々好きなものしか見てないものさ。
───さて、お後がよろしいようで。
ご協力ありがとうございました。
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